M3 2021秋 サークル出展情報

もう明日になってしまいましたが、M3 2021秋のcircle gingaサークル参加情報です(GINGAレーベルとは無関係です。って毎回書いている気がする)。コロナウィルスが今のところ大人しくなっていてこれじゃ夜逃げの言い訳にできねー、当初予想していたよりは物理会場にも参加しやすくなっているかもしれません。入場制限はきちんと行われるはずですし、当サークルもノーマスク・鼻出しマスク等に警戒しつつサークル参加します。

というわけで、今日は出展情報です。10/31当日は circle ginga (G12) にてお待ちしています。

新刊: MML to DAW via MIDI 2.0: 次世代MMLコンパイラ開発研究

今回も音楽制作は着手できませんでした…が、4月にC#からKotlinに全面移行してMIDI 2.0サポートも追加したMMLコンパイラmugene-ngを、JUEC AudioPluginHostのオーディオルーティングを組み合わせてTracktion EngineというかWaveformの楽曲データを生成するツールaugene-ngとして発展させていて、現実の打ち込み作業で使えるところまで成果を出せるようになりました。この動画は最近ずっと打ち込んでいた…というか、いる…augene-ngのサンプル楽曲です。

youtu.be

映像は工夫がなくてTracktion Waveform上で再生しているだけですが、このファイルはWaveform上では全く手を加えていない自動生成物です。Waveformユーザーならわかると思いますが(滅多にいないとおもうけど)、こんな緑一色の画面なんてフツー見ることがありません。コンパイルされたファイルには色設定情報が含まれていないんです。どうやらデフォルトは緑みたいですね。

ともあれ、そういうわけで、自分で作曲する代わりに著作権切れの管弦楽曲を使って、とりあえずはワークフローとして現実に作業できることを示そう、というdogfoodingをやっていました。先月もその作業成果としていろいろ知見がたまってきたので、M3ではこれを音楽技術書の題材にしてまとめておこう、と考えました。それで出来上がったのがこちらです…!

表紙(暫定)

表紙が…まだ…できてない…!! 現在鋭意執筆中なので、完成品には何かしらの表紙がつくと思います…つくといいな…。内容は60ページ弱くらい書いてあるので、たぶん今日図版を追加したらもうちょっと膨らむと思います。

内容としては主に、DAW(今回はTracktion)の楽曲データには何を含められるのか、MMLMIDI 2.0命令を出すにはどうするのか、MIDI 2.0の何をDAWに持ち込めるのか…といった話題をまとめています。Kotlinの話も1章くらい書いていますが、どんなライブラリを使っているか、みたいな話がメインでコードは出てきません。(ツールの使い方の説明をしたいわけでもないので、一応含めてはいますが、あまり期待しないでください…)

M3会場では、先のデモ音源とMMLの展示(たぶんモバイルデバイス…もしかしたら紙かも)と合わせて、この新刊(電子版)を500円くらいで販売する予定です。

目次も以下に2ページだけサンプルとして出しておきますが、最終版は変更される可能性があります:

目次1 目次2

追記: 表紙も出来た…!

表紙

旧刊同人誌・音楽CD(物理)

circle gingaの旧刊同人誌および音楽CDも少数部ですが当日用意しておきます。これら以外も含め、旧刊の電子版は当日に限らずいつでもboothおよび技術書典オンラインで購入できます。

デモ楽曲について

誰でも知っていそうなホルストの火星です。昔から打ち込んでみようと思っていたのですが、先月発売されたActraiser Renaissanceで遊んでいて、やっぱりコレでいこう…!ってなったのでした。(買ったけどまだやっていない、フィルモアまでしかやっていないという人は、とりあえず「世界樹」まで進んでみてほしい…わたしが何を言っているかきっとわかると思います。)

MMLIMSLPで公開されているパブリックドメインのフルオケ楽譜から30ページぶん目コピです。先週もDroidKaigiを聞いたりしながら裏で画質の悪い譜面とにらめっこしていました(後から聴いて直したところがたくさん…)。これだけパート数があると全部チェックするのも大変ですね。全パート聴いておかしいところを指摘する指揮者の仕事が大変なのがよくわかるやつ…

デモ楽曲は、今回は完成版とは言い難いところがひとつあります。使用している音源がsf2(サウンドフォント)で、オーディオプラグインとしてももこれをVST3としてロードしているjuicysfpluginなのです。フリー音源を使うのはこのaugene-ngのデモ楽曲として作成している以上は維持しておきたい制約なのですが(Kontakt等に逃げたくない)、もう一歩進めて、Virtual Playing Orchestraのsfzをsfizzから使用するバージョンの作成にも着手しています(augene-ngの目的は「今のところDAWでしか作られていないレベルのものをMMLでも作り出す」ことにあるので…)。ただ、音量もオクターブもその他全体的に不明な変更量の作業が約30トラック分あるので、これは今回は無理だと判断しました。

とはいえ、sf2でもRealistic Soundfont V2: Libre Editionという割と音質の良い音源を使っているので、ところどころおもちゃ感は出てしまうものの、20世紀のMIDI音源モジュールよりはずっと「それっぽい」音になっていると思います。

作業が現在進行形のsfizz版も含めて、MMLとプロジェクトのソースは全てgithubで公開してあるので、ソーセージの中身が気になる人は見てみてください。

9月にはayumi-juceなどを作っていたので、OPNplugと合わせてFM音源で何かやろうと思っていたのですが(実際ゲーム曲のコピー打ち込みなどもあるのですが)、こちらは自作曲でもないとgithubリポジトリで公開できないので、今回は見送りました。

recap

そういうわけで、10/31当日M3に来られる方は東京流通センターでお会いしましょう。 circle ginga (G12) にてお待ちしています。