aria2web: SFZ ARIA GUI extensions on Web UI (Part I)

目次 動機: なぜSFZを使うのか ARIA GUIとは何か webaudio-controlsを活用してHTML UI化する なぜWeb AudioでもないのにWeb UIなのか 後半へ続く 4月頃に、自作オーディオプラグインフレームワークのUI構想についていろいろ検討していて、SFZサウンドフォン…

LV2のGUIサポートのトレンドに関する覚書

追記: zrythm作者からいただいたコメントがプラグイン開発者側の最新のトレンドについて詳しく言及しているのでそちらも参照されたい。 目次 オーディオプラグインのGUI実装の一般論 LV2 UI feature UI拡張API GUIフレームワークのミスマッチ suil Gtk3サポ…

オーディオプラグインの動的ポートに関する覚書

最近自分がやっていることは多分もう自分以外の人にとっては完全にイミフだと思うが、後で歴史を発掘する作業も必要になってくると思うので、記録を残しておこうと思う。自分のオーディオプラグインフレームワークで最近ずっと悩みつつ進めている動的ポート…

PACEによるJUCEの買収とJUCE6開発計画が予告された件

4月になってからJUCE方面の動きが大きい。今日はついにPACE社がJUCEを買収したというニュースが出てきた。それなりにセンシティブな話題で、ある程度JUCEにコミットメントがある人には書きにくい話もあると思うので、完全に無責任な立ち位置で書いておこうと…

3月の開発記録

4月ももう1/3くらい過ぎているのに3月かよ?ってなりますが、PCを修理に出したり、そこに至るまでそもそもPCの不調にやられたりでいろいろ止められていた感じです。 3月からいよいよ世間がコロナ一色になって落ち着かないですね。わたしは世間一般でようやく…

2月の活動記録

早くも冬が終わりそうで、基本的に冬型人間のわたしとしてはこのままずっと冬が続いてほしいし皆さんには永遠に春が来ないでほしいと思っているのですが、いかがお過ごしでしょうか。(時候の挨拶) というわけで2月の活動記録です。 目次 Music Tech Meetup…

JUCEベースのオーディオプラグインを自分のフレームワークに輸入する

こちらは二部構成の後編になる。前編はこちら。 atsushieno.hatenablog.com タイトルは対照的ではないけど、今度は「JUCEでカスタムAudioPluginFormatをホストする」の反対側、すなわちJUCEを使って自分のプラグインフレームワーク用のオーディオプラグイン…

JUCEでカスタムAudioPluginFormatをホストする

そろそろ忘れそうなので備忘録的に書いておく。 自分で独自のオーディオプラグインフレームワークを開発していて課題になるのは、自分でフレームワークからアプリケーションまで全てを開発するのは不可能だということだ。そういうわけで可能な限り既存のリソ…

1月までの開発記録

前哨戦 2019年はちょっと仕事をしてすぐ辞めてまた無職に戻るという謎ムーブをしていましたが、それは主として自分のやりかけのプロジェクトをかたちにしてそっちの道を進んだほうが良いと考えたからでした。 11月下旬から週休5日になってだいぶ余裕は出来た…

Music Tech Meetup #1 (Night)を開催します

ここ1年くらいずっと「音楽ソフトウェア系の開発者とユーザーの両方をターゲットにした音楽技術の勉強会をやりたい〜」などと言っていたのですが、ようやく時は満ちた…! ということで来月2/6に開催します。 connpass.com 今日の正午くらいに募集開始したので…

さいきょうのCode of Conductを求めて

こんど新しく勉強会を立ち上げるのだけど、2020年に新規コミュニティを立ち上げるのは、自分が今までやってきたような勉強会(Xamarin.Forms読書会とかmono meetingとか)を作ってきたようなのとはだいぶ状況が違うようだ。特に最近よく話題になるのはCommun…

juce_emscripten: 最新のJUCE on WebAssembly

English version 目次 juce_emscriptenを体験する JUCEのプラットフォームバックエンドの基本 自分のプロジェクトをjuce_emscriptenでビルドする際の注意点 missing modules missing Projucer builder type missing resources 足りない機能は自分で移植でき…

2019年の仕事振り返り

仕事と言っても無職だけどな…! 2019年は、1年半前に始まった大無職時代をどのように生きるか、という問題に立ち向かった長い1年でした(こう書くと物は言いようっぽい)。音楽ソフトウェア開発者として、何もなかった頃の1年前と比べると、割といろいろ勉強…

libinstpatchとは

音楽技術etc. Advent Calendar 2019の…うーん…とりあえず21日目くらいにしようかな…のエントリーです。残りは上手く埋まったら埋めていきます。とりあえず今回はlibinstpatchについてです。短めに。 github.com libinstpatchはswami projectの一環として公開…

Xamarin/binding-tools-for-swiftについて

Xamarin Advent Calendar 2019 24日目のエントリーです。えっオマエ生きてたの?って感じですが、軽めのネタ・調べ物で参戦です。 目次 what is it? 今使えるの? どんなバインディングが出来るの? swiftライブラリのメタデータ構築 独自swiftc拡張 ラッパーsw…

LV2の概要

音楽技術Advent Calendar 2019の11日目のエントリーです。(まあだいぶ穴が開いているのですが、マイペースに埋めていきます。) What is LV2? LV2は主にLinux環境で利用できる、クロスプラットフォームのオーディオプラグインの仕様です。 オーディオプラグ…

JUCEにおけるz-orderの扱い

また音楽技術Advent Calendar 2019とJUCE Advent Calendar 2019のcross postingです。(現状どっちもとても埋まる気がしない) JUCE GUIのComponentには、その内容としてchild componentsをaddAndMakeVisible()関数を使って載せることができます。これはやや…

オーディオプラグインの理想的なGUIフレームワークを模索する

音楽ツール・ライブラリ・技術 Advent Calendar 20197日目のエントリーです。今日はポエムに近いです。 オーディオプラグインのGUIの要求事項 オーディオプラグインフレームワークというソフトウェアはやや特殊な世界で、歴史的な経緯を脇に置いて2019年現在…

MIDI 2.0の時代に備えて「FPGAとARMで作る自作 USBオーディオインターフェース」(同人誌)を読み解く

これは【推し祭り】技術書典で出会った良書 Advent Calendar 2019とhttps://adventar.org/calendars/3997のクロスポスティングです。 目次 音楽技術書をもっと増やしたい…! 本書の内容 MIDIの基礎知識 MIDI回路(FPGA) USB USB-MIDIの仕様 USB-MIDIの実装 MID…

JUCEモジュールを作って外部ライブラリを参照する

これは音楽技術Advent Calendar 2019の3日目(まあ2本目ですが…)とJUCE Advent Calendar 20193日目のクロスポストエントリーです。 長い前書き JUCEのビルドシステムは、アプリケーションやオーディオプラグインのビルドに必要なコードを原則として全てソー…

【音楽技術AC12/1】 ソフトウェアMIDI入力デバイスを作ろう

音楽技術Advent Calendar 2019の1日目エントリーです。今年はちょっと手が回らなそうなので「たまに書く」くらいのノリで進めていきたいと思います。かなり空き枠があるので、もし書けそうな話題がありましたらぜひご参加ください。2018年版を見るとわかりま…

DAW・シーケンサーエンジンを支える技術@M3 2019秋

前日の晩になって書いて公開するというのは何とも手遅れ感があるわけですが、明日10/27のM3 2019秋でおよそ1年半ぶりくらいに同人誌をまとめました。サークルはサ-22x (ginga)です。参加する予定のある人・音楽同人イベントに興味がある人は、ぜひ遊びに来て…

augene: MML compiler for sequencer engine

MMLコンパイラからオーディオプラグイン中心の楽曲を生成できるようなツールを作れないものか…と思っていたのですが、ある程度技術的に実現の目処が立ったので、とりあえず限りなく構想段階に近いですが出してみます。コードは現状ntractiveプロジェクトの下…

juicysfpluginをUbuntuデスクトップ環境で使うためのまとめ

小ネタ。 サウンドフォントにはなかなかいい音をもっているものが多く、また統合音源として各種サンプルをバンドルしているものはMIDI楽器として楽に使いやすいので、それなりに活用したい。 juicysfpluginはfluidsynthを利用してサウンドフォントをVSTiにし…

Xamarin.AndroidXMigrationについて

今回はコレに関連して少し詳しく書く。 devblogs.microsoft.com 目次 Xamarin.Androidは時代遅れ androidx (a.k.a Jetpack) androidxへの移行の課題 Jetifier Xamarin.AndroidのJetpack移行戦略 Xamarin.AndroidXMigrationの仕組み Xamarin.AndroidXMigratio…

JUCEでエラーを黙殺しないテストの構築

目次 Introduction JUCEのテストはどうやって書くのか 先例1: JUCE 先例2: tracktion_engine JUCEのテストコードをCIサーバー上で実行する jassertfalseを退治する (1) jassertfalseの出力するメッセージをLoggerで捕捉して、最後に発生していたjassertfalse…

安定的で合理的なデバッグ作業を実現するApply Changes @ C96

ひさしぶりに技術同人誌に寄稿しました。TechBoosterのC96(夏コミ)新刊です。4日目南ナ49abのようです。boothで予約も出来るようです。 techbooster.booth.pm 今回はAndroid Studio 3.5でInstant Runの代替機能のように紹介されて登場したApply Changesと呼…

CircleCI(など)でJUCEアプリケーションをビルドする

JUCE GUIアプリケーションをCircleCIでビルドしてテスト実行するにはいろいろ面倒事を解決しないといけないのでまとめておく。CircleCIでやっているのはたまたまなので、他にも任意のDocker Imageを使用してビルドできるCI環境があれば応用がきくはず。実行…

6月のmusic tools hacks, あるいはLV2 for Android

もっと早くに実現していたはずだったのですが、体調不良などに引きずられて今頃になって台湾に渡ってフラフラ過ごしています。人に会う用事が毎日のようにあって、日本の引きこもり生活とは雲泥の差が… 無駄話はさておき、5月にAndroid Native MIDI APIにつ…

オーディオプラグインとプロセス分離に関する覚書

ここ数日ばかり、DAWのオーディオエンジンがあまりプラグインをプロセス分離でロードしていないのは何でだろう?というのが気になっていて、いろいろ調べていたので、覚書としてまとめてみる。 目次 プロセス分離モデル リアルタイム制約 アプリケーションの…