台湾のカンファレンス参加とXamarinコミュニティ始動によせて

2週間ほど前の話ですが、8/27に、台湾のMicrosoftが開催したオープンソース コミュニティのイベントであるCommunity Open Campで、Xamarin.Android SDKの話をしてきました。

community-open-camp.azurewebsites.net

たまたま(?)、米MSのchannel9部隊が来台していて、セッション動画を全部録画していました。わたしの分も公開されています。

channel9.msdn.com

ただ、なぜかわたしが喋っているだけの動画になっていて、スクリーンが全く写っていないという…スライドはこちらで読めます。

speakerdeck.com

それで、ついでにセッションスピーカー数名にインタビューを行っていたらしく、その動画もついでに録画されちゃいました。(リンクだらけになってくどいので、↑の関連動画から見てください)

Community Open Campは、基本的にVSCodeやAzureなど、MS技術に絡めたセッションがほとんどだったと思いますが、MSのコミュニティ マネージャーが、いろいろなオープンソース技術のコミュニティに出向いていって、セッション担当や一般参加を呼びかけていったようで、わたしが台湾に住んでいた頃に出入りしていたコミュニティにも顔を出していて(わたし以外にMS技術を紹介するようなメンバーは皆無でした)、自分たちのフィールドの外に積極的に出ていって頑張ってるなあと思ったものです。会場も台北ではこの種のイベントでお馴染みの中央研究院でした。

わたしのセッション内容は、7月頭にYAP(achimon)Cでしゃべった内容をベースにしつつ、いろいろアップデートして、かつ後半の高度な内容を飛ばす代わりに、コン ソールからフルスクラッチでXamarin.Androidアプリケーションのソースを作成してxabuildでapkをビルドしてadbでインストール して実際に動かす、というライブコーディング(と言っていいのだろうか)、という構成になりました。英語セッションでしたが、150-200人くらいに見てもらえたんじゃないかと思います。

わたしの他に、Xamarinのセッションを担当していたyahooの技術者がいたのですが(話しそびれた)、そちらで全体的な導入をやってもらえたおかげで、わたしは好き放題しゃべったという感じです。おそらく世界の誰もやったことないであろう実用性ゼロのデモで、一部の参加者はエラいものを見たという感じで喜んでいましたが、全体的には参加者を煙に巻いたことだろうと思います(!?)

イベントの後、しばらくうろうろしながら、聞いてくれた人たちと雑談したり、↑のインタビュー動画を撮ったりして過ごした後、最寄り駅付近でspeakers' dinnerに参加して、他のスピーカーの人たちといろいろ技術雑談を楽しんできました。彼らの多くはホントにふだんMS技術に関与しないような技術者で、日本でよくやっているような身内イベントとは大違いでした。

翌々日8/29には、別のMSのコミュニティ マネージャーが、初めてのXamarinユーザーミーティングを開催して、そこで今度は、XamarinというかMonoがどんな感じで誕生したかを紹介して、どうやって自分がそこに入り込めたか、みたいな話をしてきました。(技術セッションを準備する余裕は無かったし)

speakerdeck.com

これでうまいこと扇動されてXamarinやら各種MSプロジェクトに限らず誰かOSS contributorとして参加していってくれるようになるといいなあという感じです。皆だいたい中国語で交流していたので、わたしは半分くらいぼんやり眺めていたのですが、MSPの学生の人たちなんかも来ていたりして、また少し新しい種類の繋がりも出来たのでした。

さて、ここまでは前フリです。

今回これらのセッショントークを行ってきたのは、わたし(というかXamarin)が日本マイクロソフトにjoinした結果、台湾に自由に行き来できなくなって、台湾の技術者コミュニティへの参加が出来なくなっていることに起因しています。

6月、まだXamarinが存在していた時に、台湾に渡った時に、まず台湾のXamarinパートナーだったThinkpower(日本のエクセルソフトだと思えば大体合ってます)の人たちにお願いして、当時繋がりの無かった台湾MSの人に繋いでもらって、「何かイベントがあったらしゃべるから呼んで☆」とお願いしてきて、何とか実現したのです(移動も自費だし)。この時は半月ぐらい滞在していました。今回確立したXamarinユーザーミーティングでは今後も呼んでもらえそうですが、毎回わたしがセッションをもつわけにもいかないし、数回に1回といったところでしょう。

東アジアにいるXamarinのメンバーは、わたしだけなんです。台湾で同じことが出来る人は、いないんです。

今回は数日間だけ現地での交流の機会がありましたが、今のところ台湾に自由に行けるわけでもないので、このような機会は激減しています(6月に無理やり繋がっていなければ、おそらく「ほぼゼロ」になっていたことでしょう)。本当なら他の東アジア各国(できれば東南アジアくらい)まで交流の幅を広げたいのですが、現状では各国コミュニティとの繋がりもない状態から始めなければならず、ほんの数日の滞在で今回みたいな成果を出せるところまではもっていけないでしょう。

今年の春先に、日本マイクロソフトが「どこでも働ける」ようにルールを変えた、というニュースが話題になりましたが、わたしに言わせればまだ不十分です。3ヶ月に1度は他所のオフィスを見てくることを推奨しているGoogleみたいな企業を見習ってほしいと思います(推奨、というのが良いバランス感覚ですね)。

世界コミュニティに貢献するって、こういう活動だと思うんですよね。日本法人がやるべきことは、日本の従業員の可能性を広げることだと思うんです。

日本マイクロソフトには、もっとグローバルに変わってほしいと思っています。