Music Tech Meetup #1 (Night)を開催します

ここ1年くらいずっと「音楽ソフトウェア系の開発者とユーザーの両方をターゲットにした音楽技術の勉強会をやりたい〜」などと言っていたのですが、ようやく時は満ちた…! ということで来月2/6に開催します。

connpass.com

今日の正午くらいに募集開始したのですが、マニヤックな分野の勉強会にもかかわらず既に20人くらい申し込みいただいていてありがたいかぎりです。

経緯

1年も前から言っていたというのは割と本当で、去年もちょうど年末くらいから似たようなことを言っていたのでした。2年続けてロンドンのADCに参加していたので、自分たちはその知見を持ち帰って共有できるし、音楽関係のソフトウェアやSDK(JUCEとかVSTとか)などで面白いセッショントークが出来る人が何人かいたので、開催したらきっと面白いことになると思っていました。

去年はそうこうしているうちにmusic.dev勉強会が発表されたので、とりあえず自分で開催しなくてもいいや…!となったのでした。music.devは一般参加が10人しか入れなかったこと以外は理想的で、バリエーションに飛んだトークが集まって楽しく勉強になる集まりでした。

去年はさらにJUCEもくもく会みたいなことをもう少し音楽技術全般をターゲットにして開催してもいいかなと思っていたら、ちょうどMake Music Things!というまさに音楽全般もくもく会のようなものが始まったので、これまた自分で運営しなくてもいい…!となって、2019年は周りの皆さんの活動におんぶにだっこ状態でのうのうとやってこられたわけです(!)

今回は、セッションを伴う勉強会みたいなことがしばらくなかったのと、music.devは主催のケロさんが2月は東京に来られる準備で忙しそうで#2がかぶることはなさそうだったので、ついに自分で開催しようとなったわけです。

せっかくなので数十人規模で開催したいなーと思ったのですが、Make Music Things!の会場は最大10人ちょいになってしまうので、主催の小出さんと開催は一緒にやっていただいて、会場はどこかを借りてやろうとなりました。ちょうどその頃にLAPRAS社の伊藤さん(まだお会いしたことはないです)のツイートがTLに流れてきまして、

これは会場の大きさ的にも雰囲気としても割とピッタリで天佑なのでは…!?となって、ご相談してお願いすることになりました。勉強会は、いつも会場探しが一番しんどいので、ここを簡単にクリアできたのは本当にありがたいです。

勉強会の方針

今回の勉強会は、ある程度自分たちが知っている人に来てもらえる一方で、知らない人だらけだけど日頃からあるような勉強会ではない(けど興味ある)からちょっと顔を出してみよう、という方がそれなりに来られると思っています。人数もどうがんばっても50人くらいなので、なるべく会場でカジュアルに誰でも話せるようなふいんきなぜか変換できない)にしたいと思っています。

もうひとつ、IT系技術の勉強会はプログラミング言語やプラットフォーム、開発ツールなどに関連するものが多く、ほとんどが開発者「だけ」をターゲットにしているのですが、わたしみたいに開発フレームワークを提供する立場にいた人間としては、参加する「開発者」にも「ツールの開発者側」と「ツールのユーザー側」がいると思っています。両方がいて勉強会が成り立っているわけですね。これは音楽系のソフトウェアの場合でも当てはまるはずなので、この勉強会では技術やツールの開発者と同様にユーザーとしてのミュージシャンやDTMerの人たちをターゲットにする、音楽を制作するための技術や知見を広めるセッションもあります*1。ふだんこの方面のセッションを聴けることはそうそう無いと思うので、割と貴重な場になると思います。

今回はセッションがありませんが、音楽技術のとくにゲーム開発の分野では、音楽の制作と同時にサウンドドライバーを制作したり、古くはMMLのようなプログラム類似の言語で作曲したでしょうし(今でも商業でやっている人がいますね)、今でもスクリプトサウンドオブジェクトを制御することもあるかと思います。あるいはミドルウェアを導入したりといった知見も広く求められることがあり、この意味ではサウンドエンジニアも開発者との境界線が割と曖昧だと思います。この分野だとCRI ADX2などの勉強会も別途さかんですが、知見を共有できる人がいたらぜひ来てほしいと思っています。あとはVRなどで3Dサウンド処理もホットなトピックですよね。

この集まりは現状スポンサーがいるわけでもないので、夜の勉強会ですが軽食を用意するのもしんどいです…というのを逆手に取って、参加される方にお気に入りの食べ物などを持ち寄っていただくことにしました。開始と同時に食べ物をつまみながら話を聞いていただこうと思っています。発表が終わるのを待ち続けてフードが冷めちゃったら悲しいので、食べておいしい時に食べましょう。もちろん手ぶらでも大丈夫です。全員がたくさん食べ物を持ってきたら余るでしょうし…!

今回の勉強会では、可能な限り多くの人に抵抗感なく気配りしてもらえるようなCode of Conductを考えて設計してあります。困ったことがあったら相談してください。

セッション紹介

Audio Developers Conference 2019で見てきたオーディオ開発最新動向

わたしが勉強会を開こうと思った発端が「ADCのセッションとかで発表されているような話を紹介して、詳しく知っていそうな人とかに参加してもらってわいわい話したい」みたいな感じなので、同じくADCに2年連続で参加しているJUCE Japanのしおざわさん @COx2 と2人で漫談することになりました。(ってタイトルをわたしが勝手に付けてしまっているのですが、このへんは諸々調整する予定です…!)

ADCにはさまざまなプレイヤーが参加しています。RolandYAMAHAKORGなどの楽器メーカー、Native Instrumentsみたいなオーディオプラグインベンダー、ROLIやSteinbergのようなオーディオプラグインフレームワークベンダー、AppleGoogleあるいはELKのようなプラットフォームベンダー、音楽と機械学習のソリューションを提供するベンチャー企業など、バックグラウンドはさまざまです。2日間で行われたセッションのほとんどはyoutubeで公開されています(1日目2日目)。

現地でも見ましたがフルパワーで見ていたわけではないので、わたしはいろいろチェックして臨むつもりです。

エフェクターを作ろう

Make Music Things!を運営している小出さんによるセッションです。小出さんには他のセッション予定とかぶらなそうなトピックの狭間で決めていただいた感じなのですが(!)、結果的にハードウェア寄りでエフェクターを作るための回路設計についてお話しいただく予定です。お仕事がその方面みたいです。うらやましい…!*2

Make Music Things!の集まりは、ソフトウェアだけしかやらないわたしみたいな参加者も何人かいるし、Maker Faireとかに出展するような物を制作している参加者も何人かいるという感じで、独特のバランスでまとまっています。1人で黙々と作業することもできますし、他の人と相談やら雑談やらしながら過ごす人もいます。割と物理層の話で盛り上がったりすることもあります。

概ね毎月やっていて1/25にも第6回があるので、この辺の開発に携わっている人とわいわいやりたい人がいたらぜひ来てみてください。

変拍子兄さん & 腕毛の人 の変態音楽理論(タイトル未定)

タイトルはまだ未定なのですが、変態音楽理論アカデミーというnoteのページを公開されている変拍子兄さん @OrangeTheKeyqa と、一緒に音楽活動されている腕毛の人 @stereonoah のお二人に、独自に構築されている音楽理論に関する発表をお願いしました(もしかしたらしゃべるのは2人ではないかも)。内容はほぼ白紙でお任せしてあるのですが、たぶん微分音を活かした作曲の方法論などが内容となるのではないかと思います。

微分音というのは説明なしでは「??」となるかと思います…。ふだんわれわれが音楽を打ち込む時に使う音階は12平均律(一般的には12も抜いて単に平均律)とよばれ、周波数の比率で1オクターブの音をド〜シの12音に分割構成しています。しかし世の中には他に純正律と呼ばれる、特定の和音だけがよりきれいに響くような周波数で構成された音階などもあります。さらにはそもそも1オクターブを12で割る必要だって無いはずでは…?と考えると、1オクターブを24分割したり31分割(!?)したりといったことも出来るわけです。MIDIメッセージはどう考えても12音階なわけで、どうやってこれを乗り越えて作曲するのか…? など、いろいろ刺激的な話が聴けるかと思います(白紙委任ですが!)

ちなみに、このおふたりとは昨年の同人音楽イベントでサークルスペースが隣同士だっただけです(ゆ〜くれというこれらの音楽理論などによる音楽を発表しているこのお二人のユニットです)。普段から勉強会でセッションやっているようには見えなかったのですが、音楽理論系のセッションをお願いする場としてはピッタリだと思ったので、おっかなびっくりお願いして受けていただきました(ありがたい〜)。

ライトニングトーク

今回もう1つセッションがあるかもしれませんが、無いかもしれません。その代わりに、というわけではありませんが、LTタイムを設けてあります。おそらく自分が開発したり使っていたりするソフトウェアや楽器、あるいは音楽制作手法などについて喋りたいという方が少なからずいるのではないでしょうか。と思って募集に含めたのですが、既に申し込みいただいていて、「計画通り…!」(画像略)という顔をしています。まだ枠があるのでやりたい方はぜひ申し込んでください。

ちなみに、勉強会参加者枠を別にすることも考えたのですが、LTで何かしゃべれることあるかな…?って悩んで参加枠を迷っているうちに人数がいっぱいになって悲しい思いをすることが稀によくあるので、LT申込み枠は分けずにコメントで書いていただくという設計にしました。いろいろ考えてます…!

Music Tech Meetup #2 (Day) もやりたい

今回は1回目ということで、お試しという感じで平日の夜開催ということにしました。会場も平日限定ですし(そういうところが多いはずです)、まずは平日に開催して感触を得ておこうという腹づもりです。

まだ第1回を公開したばかりなのですが、他にもあの人やこの人にもしゃべってもらいたい…!みたいなリストを(勝手に)かかえていて、「でもこの話なら50分とかでフルタイムでお願いしたい…」みたいな状態になっているので、そのうち土日開催してフルタイムセッションを容赦なく詰め込むのも開催したいと思っています。

そういうわけで今後の展望も意識の隅におきつつ、まずは2/6の勉強会をうまいこと開催したいと思っていますので、この分野に興味のある方は(まだあまり機会が無いと思うので)ぜひ参加してください。

*1:昨年のmusic.devもそうなっていました。

*2:いや無職はひとの仕事を羨ましがらないぞ…!!