以前JXUGのイベントのどれか(多すぎて忘れちゃった)でちょろっと告知したことがあったと思いますが、Charles PetzoldがXamarinにjoinして執筆している Creating Mobile Apps with Xamarin.Forms(以下「Forms本」) の日本語訳作業が進行しています。現在、藤原さん(@yfakariya)とわたしがほぼ半々ずつ監訳するという感じで進行しています(ここまでの実績に基づく予想値)。
6月には技術書典が開催されました。Xamarin関係の原稿を書けという指令があったところだったので、4月のBuildで告知されEvolveで公開されたオープンソースXamarin platformのうちXamarin.AndroidSDKについて、そこそこ詳しく踏み込んだ話を書きました。30ページくらいでだいぶパワーを使ったのですが、正直なところ、踏み込み度合いで考えると、まだまだ雑な部分が多い感じです。ともあれ、これをもとに、7月にはYAP(achimon)Cで、8月には台湾のCommunity Open Campで、いずれもXamarin.AndroidSDKについてしゃべりました。来年4月には技術書典2もありますし、Xamarin本もまとめたいと思っています(Androidの話は書かないかもしれません)。技術書典自体にもスタッフとして参加していたのですが、来場者も1500人ほどで、イベントとして大成功でした。
2016年はVisual Studio Codeが大躍進した1年でした。単なるエディタの実装というより、オープンなIDE技術の標準仕様を策定して「みんな」を幸せにしようという本家MSの開発者の姿勢は素晴らしいですね。language serverはそのオープン仕様の主要な例ですが、IDEのコードエディタの仕組みって、なかなか理解してもらえない難しいトピックなんですよね。なので、この文章はわたしらしくもなく「わかりやすさ」を第一にまとめたものです。台湾のイベントの後でVSCodeの話をしていたスピーカーに見せたら、これは他で読めない内容だから是非とも英語でまとめてくれ、と言われて、これは成功した!と思ったものでした。いや英語化できていませんががが。あと前編と言いつつ後編が書きかけのままなのですが…そのうち…(汗
Connect();に向けたXamarinの大きなアップデートで発表されたVS for Mac、その中で特に面白かったdebug protocolの取り込みの話を中心に書きました(.NET Coreプロジェクトのサポートについて調べていたらそこに行き着いた)。これも動機付けとしてはlanguage server protocolのネタと重複する部分が多いです。最後のまとめといい、こんなに「MSの手先」みたいな雰囲気の記事を書くつもりはなかったのですが(今年日本MSの中の人が書いた技術記事の中でも、トップクラスの前向きかつマトモなMS推し記事だと思いませんか?)、まあたまにはいいでしょう。
また、VSCodeは、単なるbetter (あるいはin-house) text editorを目指して作られたものではなく、標準としていくつかのオープン プロトコルを提案しているところも魅力的です。この辺は既に紹介しているので(language server protocol、debug protocol)、それぞれ参考にしていただければと思います。どれも「VSCodeが初めて」というわけではありませんが、言語開発コミュニティにもエディタ開発コミュニティにも呼びかけて、全体としてバベルの塔状態を解消していこうとする姿勢は、とても新生Microsoft(本家)らしくて良いと思います。